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2018.1.24


FANTASTICA MANIA2018で
川人に感動するとともに
反省を込めてStar Jr.の補足

この試合を最後にメキシコに旅立つ川人の壮行試合に感動した。客席がオレンジ色の川人ボードに埋め尽くされていて、それまでもきっと練習に打ち込んできた日々があって、それがある意味報われた瞬間ではと思うとカメラを持つ手が震えたわ(泣いている)。彗星のごとく現れる新人がいると同時に、着実に歩む新人もいるんだな。

ルチャも同じで、ミスティコやドラゴン・リーの輝かしい活躍に気を取られがちだけど、着実に練習して、1年ずつ強く、巧くなっていくタイプの選手もいる。

そういう意味で今回ノーマークだったのがスターJr.。すまん、実際に観たら思ってたよりすごかったよ。パンフレットにはもっといいことを書くべきだった!反省!
そんなわけで、スターJr.のキャリアについて書いておきます(罪滅ぼし的な意味で)!!

Star Jr.
川人に「お前もTシャツ脱いで投げろよ!」と迫るスタルJr.とドロン

Star Jr.
ヤングライオン一人ひとりに挨拶するスタルJr.

Star Jr.
金曜日の後楽園ホール、ルーシュに放った美トルニージョ

Star Jr.
いやいや、この高さはまずいよまずいよ〜!

スターJr.は、ナウカルパンのインディでデビューし、2年ほどIWRGで活動したのち、 2014年1月にCMLLデビュー(おそらく21歳?)。さっそく「グラン・アルテルナティーバ」にアトランティスと組んで出場する快挙。結果は初戦敗退ながら、対戦した相手はウルティモ・ゲレーロ&エチセロ組という強すぎ巧すぎタッグであったことを考えると納得。 同じ年の4月、新人総当り戦の「エン・ブスカ・デ・ウン・イドロ」出場。試合の勝敗、審査員の採点、ファン投票により合計点で争われる第1リーグでは出場者8人中4人が2次リーグに進めるが、惜しくも結果は5位(後にタッグを組むソベラノJr.は6位)。ちなみに1〜4位はエチセロ、カベルナリオ、カチョーロ(現テ・パンテル)、ドラゴン・リーと猛者ぞろい。しかし審査員点とファン投票では4位のドラゴン・リーより高得点を記録している。
メインジャッジとして名を連ねていた”悪徳レフェリー”ティランテス、採点が辛く、10点満点中1とか2とか出す、欽ちゃんの仮装大賞ならお茶の間から大ブーイングの審査員ぶりなのだが、なぜだかいつもスターJr.の得点が高い。
例えば1週目、ドラゴン・リー2点、ソベラノJr.1点に対し、スタルJr.は4点。4週目には10点をもらい、5週目も9点、6週目引き続き10点。ティランテスから9点以上を獲ったのはほかエチセロ、カベルナリオ、GネグロJr.がいるが、それぞれ1度ずつだけ。3度も高得点を獲得したのはスターJr.だけなのだ。

この高得点はなぜだ。怪しい、まさか親戚とかでは? と聞いたところ「いや、全然会ったこともないんです。でもいつもちゃんと見ててくれて嬉しかった」とのこと。疑ってすまん。

【ご参考】件のエン・ブスカ・デ・ウン・イドロ2014については過去の私がメモってました。オタクすぎて引く。

さて、ティランテスからの評価が高かったとはいえ決勝には進めなかった以上、ここれまでか…と消える新人も多い中、いなくならないところもなにげにすごい。

2015年には2年目にしてマスカラ戦。ソベラノJr.と組みチョロ&ラムステイン組に見事勝利する。
2017年には2度目のグラン・アルテルナティーバ出場。ミスティコと組み初戦突破を果たすも、2回戦でウルティモ・ゲレーロ&サンソン組に敗れる。この年の優勝はカリスティコ&ソベラノJr.組。
2018年、FANTASTICA MANIAにて初来日を果たす

以上、よくよく追ってみると、毎年少しずつ、でも着実にキャリアアップしていることがわかる。

橋ヒロムというライバルを得て世界的な認知度を得たドラゴン・リー、昨年の来日でブレイクしたソベラノJr.と、同時期にCMLLデビューした選手のように派手なキャリアではないものの、自分の道を一歩ずつ踏みしめるように歩んでいる。

今回の来日はすごく嬉しいそうで、「初来日した選手はみんな僕よりキャリアが上の人ばかり。その中に選んでもらえてすごく嬉しい! あと、ファンタスティカマニアには1回しか出られない選手も多いけど、来年もう1回出場させてもらうことがまずは目標かな!」と堅実。

父はスタル・ボーイというナウカルパンを中心に活躍したルチャドールで、父の試合を観て、小さい頃からルチャドールになる将来を夢見る。しかし父は「勉強しなさい!」と反対。そんな父の反対を押し切ってルチャドールの道を歩き始めたかたちだ。お父さんが一番の憧れで、それ以外だとリッキー・マルビンに夢中だったそう。

スポーツ歴はいろいろあり、サッカー、ボクシング、スイミングも少々。中でも空手は6年間、ルチャの練習を始めるまで続けた。

自分のキャリアにはそれなりに手応えを得ていて、前述のFANTASTICA MANIA再来日とともに、今は週3回ほどの試合をもう少し増やしたいそう。

Facebookは一応やっているものの、SNSには熱心ではない。練習と試合で精一杯で「SNSって時間かかるから…それなら本とか読みたいし」とのこと。ちなみに映画も好きで、メキシコ人監督ギレルモ・デル・トロの『パンズ・ラビリンス』なども好きだそう。意外とサブカル野郎なのだろうか。

プロレス記者ではない私は取材パスを持っていないので、聞けた話はこのぐらい(笑)。加えて、浅草での観光目撃情報を。

土曜日の浅草は修学旅行生が多く、ワイワイしてた少年グループの一人の靴が脱げて飛んできた。するとスターJr.が迷うことなく、まるでフィギュアの選手のようにクルッと一回転し、後ろ足でダイレクトボレーで蹴り返すファンタジスタぶりを披露。当然ながら高校生大喜び。3年〜!B組〜!きーんぱーちせんせーぐらい彼を中心に若者が集まり全員で記念撮影しておられた。こうやって、なぜか人を集めてしまう求心力、やはり一流のルチャドールなんだなと驚愕した。

ちなみに「ライター明知真理子42歳!」と自己紹介したところ、「母と同い年ですね(ニコッ)」とのこと。
この件についてはガビーンとだけ言っておく。


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