毎週月曜新聞 悪のロゴ
2014.9.10


宇宙博2014
↑宇宙博で見た、
なんか盛り上がる機械

ヘビームーンでぐらぐら

 仕事する気が起こらないので、ブログでも書いてみる。

 昨日、取材の帰り道のバスの車窓から、オレンジ色の大きな月。その明らかなデカさに、一緒にいたカメラマンとにわかに盛り上がる。

「うぉっでけえ!」
「十五夜って今日?明日?でしたっけ」

 丁寧語とタメぐちが入り混じる距離感の我々の会話に、向かいの席から闖入者。おじいさんと呼ぶには若く、かと言って”おじさん”よりも年齢を重ねていそうな彼は、その後も何度も同じ趣旨の発言で我々に話しかけ続けた。要約するとこう。

「ごらん、ヘビームーンだよ。月が地球に近づくから大きく見えるんだ。これだけ大きいのは何十年に一度のものなんだよ。君たちは若いけれど、私なんかはもう二度と見られないかもしれないね」

 天体に格段詳しいわけでもない私には、いろいろダウトがある。

 ヘビームーンという言い方はあるの?スーパームーンでは?
 何十年に一度と言うが、スーパームーンってけっこう頻繁にあるはず。しかし調べたところ、「約18年に一度」特別近くなったのは、1955年、1974年、1992年、2011年とあり、今年じゃないようだ。それにしても何十年というほど長い周期ではない。

 それとも別に「ヘビームーン」というやつがあるのか。天文学か占星術を生業とする者なら常識なのか。あるいは宗教従事者なら聖なる地に約束の木を重ねて火を灯し、内なる葛藤と震えながら向き合ったりするのか。

 いやいや、やはり「なんか大きいっぽい英語表現」ってことで、彼の思い違いではないか。だとしたらSUPERよりHEAVYを使う彼の英語スキルは、より高そうだ。

 私も彼も情報の信ぴょう性がアヤシイ。

 彼はそのあやふやな(と決めつけるけど)知識により、自ら起こした郷愁のつむじ風に巻かれ、もう涙ぐみそうな勢いだ。

 そして私も、スーパームーンだかヘビームーンだけ知らんけど(厳密に調べる気もないし)、とにかくでかい、なんかいいことありそう、とふわふわの知識の上で盛り上がっている。 これまで集めた知識もこんな調子だとしたら、私の頭はガラクタばっかりだ。おおこわ。

 そう考えると、自分という城の土台が砂でできていたことに気づいてしまった!と、アイデンティティの揺らぎを感じた。三鷹にて。

 ぐらぐらする土台の上で、われわれ人間はゆらゆらと一喜一憂する不確かな存在だよジーザス。

おおげさだ。

以上、現場からでした。


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