アンダレー  2020.1.1

シュワルツェネッガーまでの距離

子供の頃はアクションヒーローに憧れた。
『プレデター』のシュワルツェネッガー、『ランボー』のスタローン、『地獄のコマンドー』のチャック・ノリス、『少林寺』のリー・リンチェイ。

中でも強烈に憧れたのは西部劇『シェーン』の主人公のカウボーイ。大ケガをやせ我慢して馬上で背筋を伸ばし、去っていくシェーン。少年の眼差しの先で、グラリとその体勢が崩れる…シェェェェェェーーーーーン!

ヒーローに憧れるものだから、子供の頃はよく高い所から落ちるなどした。
アスレチックのターザンロープで手を放し地面に叩きつけられた私に、ばかやろうあれはワイヤーで吊ってあるんだと、側で見ていた父が言ったかどうかは記憶にない。気を失っていたからだ。
思いっきり漕いだブランコから手を放しブロック塀にぶつかった私に、まりちゃんバカねあれはワイヤーアクションよと母が言ったかは覚えていない。気を失っていたからだ。

ちなみに小学校の作文で書いた将来の夢は「宇宙飛行士」。その夢は前澤さんが代わりに叶えてくれるはずだ。任せたぞ!

そんなこんなで、シュワルツェネッガー的な偉人になろうとしていた私が、しかしながらある時、気付くのは、シュワルツェネッガーまでの距離。

シュワルツェネッガーは188cm、100kg超。私はというと160cm、53kg。もっとも鍛えていた時でも58kgと、かなりの開きがある。いったいどうやったらシュワルツェネッガーになれるというのか。 お父さんのブルワーカーで鍛えたところで焼け石に水。この努力はムダなのか。無力感に包まれる。

さらに、人種も性別も違うことに明確に気付いたのは、19、20歳の頃だ(おそい)。

そしてこのへんから、世の中の女性差別に気付く。男に負けたくない一心で邁進したことは吉凶さまざまな結果をもたらしたが、それは別の機会に。ともかく、女性が男性と同等の働きをするのは、かなりハードルが高いようだ。

しかしハードルが何だ。シュワルツェネッガーを目指す私には根性がある。捕虜になり拷問を受けるチャック・ノリスの気持ちでセクハラを耐える。毎日4時間ほどかかる家事を終え、馬上のシェーンのやせ我慢を見習って深夜に原稿を書く。

そうするうちに信頼を得たようで、昨年の目標の打率はかなり高め。

もっとも嬉しいのが、編集協力したディック東郷『東郷見聞録 世界一周プロレス放浪記』が彩図社より刊行されたこと。東郷さんおめでとうございます!!!やりましたね!!!

★きっかけになった『週プレNEWS』のインタビュー【前編】【後編】を読めば本書の面白さも分かるかと。

さらに書泉グランデで、藤田ミノル選手をゲストにイベントも開いていただいた。

↑シュワルツェネッガーから最も遠いのが明知。

さて、2020年の抱負はというと、先程「ワルキューレの騎行」を大音量で聴きながら書き出した。

うちひとつは「女の子が夢を見られる働き方をする」。こいつぁまた大きく出たな。

娘が女子高生になり、いろんなタイプの女子高生が我が家に遊びに来る。彼女たちは楽しそうで、でも同時に悩みや恐れがあるのも見て取れる。大丈夫だ、心配しなくても、大人になるのは超楽しいよ。そう伝えたい。彼女たちが社会に出ることが楽しみになるように、楽しく働く身近な女性の一人になっていきたい。エモい。

シングルマザーにはとてつもなく大きな目標だ。しかしシュワルツェネッガーになるよりずっと簡単だ。

そんなわけで今年もよろしくお願いいたします!!!


★TOPに戻る★