2019.3.25

我が社の先行き

noteってオシャレだな、私もライターだしやってみたいな、と思いつつ、HTML言語を打ち込んでブログを書いている。20年ぐらい前に友達のPくんに教えてもらったままアップデートされていない知識だ。一応、スマホで読みやすいよう設定を改良してみたがいかがです?

時に仕事でクソみたいな気分になる。年に2回ぐらい。でも年間200の仕事のうち2回程度と考えると、実に99%は楽しく働いていることになり、驚異的な幸福感が浮き彫りになった。 先日の取材で教えられたある統計によると、幸福度がいちばん高い職業は「自営業」だそうだ。やっぱりぃ〜。

我が社の社長(私)はスパルタな理想主義者で、その記事が世の中を良くすると信じてやまない。経理(私)は新聞図書費に寛容で、読むべき書籍が山と積まれている。頑張る人応援事業部長(私)は意欲的だがワーカホリックで、次々と応援したい人を見つけては取材に駆け回り、ルチャ部長(私)は専門性を高めるため資料室に籠もりきり。生まれつき話好きな営業部長(私)は知らない人に会うことがまったく苦にならない愉快な中年だ。

そこで大変なのが総務(私)だ。消耗品の買い出しから社員(私)の家庭の面倒まで見ており、PTA役員、家族の公的書類作成、掃除洗濯などの家事も行う。

その割を食っているのがクリエイター事業部長(私)だ。もっとも重要な事業部であるわりにもっともふわっとした事業部のため、総務の手伝いに駆り出されている。ヒマを持て余してこそ実力を発揮するタイプなのに、時間を与えられていない。社として問題だ。社長、ひとことお願いします。

うむ。クリエイター氏よ、君の切なさは分かる。世で活躍する編集者が君のやりたい企画を実現するのは悔しいだろう。歯がゆいだろう。うらやましいだろう。しかし君の良さは楽観的なところ。うまくいったら「聞いて聞いて」と褒めてもらおうとする素直さは強靭といっていいほどだ。生まれたままの、あるいはなりたいと思ったままの自分でいられる点は驚異的だ。

我が社にはかつて総務しかなく、雑務で日が暮れていた。認可保育園に入れなかった頃は経理も本の一冊すら買わせてくれなかった。雑務は緩やかにだが減少傾向にある。君が全力で活躍できる日も近い。今は忍耐だぞ。

社長の言葉を真に受けた、あるいは丸め込まれたクリエイターは、持ち前の楽観性を発動し今日も総務を手伝って洗濯物をたたんだ。そして茨木のり子の詩の一節を思い出した。

わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた
(「わたしが一番きれいだったとき」より)

そうだ、のし歩くのだ。と、無根拠な期待感に胸を高鳴らせているクリエイターがいる一方で、油断のならない人物が一人。存命の会長(私)がしたたかに復権の機会を狙っている。創業当時の社のビジョンは「4人目のサンバルカンになること」だったことを考えると、我が社の先行きは非常に不安だ。


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