毎週月曜新聞 悪のロゴ
2018.1.3


お仕事について
所信表明的な何か
あるいは自白

1年の計は元旦にあり。
あっ、もう3日だ。
ということで今年も雪崩式に始まりました。がんばります。

私は1つの仕事に注ぐ力は多い方だと思う。ものすごく熱烈に準備をしてインタビューに行く。仕事ぶりをモチベーションモンスターと言われた時は完全に褒め言葉だと捉えて嬉しかったけど、バカの自覚もある。そんなに1個ずつ力入れまくってたら数がこなせなくて貧乏になっちゃうかも。もしかしたら陰で修造と呼ばれている可能性もある。恥ずかしい。でも冷めているより恥ずかしい方がずっといいし、恥ずかしいこともできるのが私のいいところです。

いちいち人生を賭けるように仕事に行くので、ある程度の手応えは毎回感じる半面、大きく傷を負うことも多い。インタビューをする人は当然ながら私よりずっとすごい人のことが多いので、その人と比べて自分の至らなさにがっくり来る。

2017年最後のインタビューはクリス・ジェリコだった。ちょっと詳しいプロレスファンなら知らない人はいないスーパースターだ。
ジェリコはみんなに親切で、サービス精神旺盛で話も面白く、へんてこな質問にも面白い答えをくれ、フルーツを食べながら記事にできそうにないことまで話してくれた。写真写りはインタビューカットも決めカットもすべて完璧。さすがスーパースターだ。人が自分に求めることが分かっていて、それ以上のことを返して来たのだろう。キャリアを始めた時からずっと。
取材のあとは「一緒に写真撮ろうか?」と申し出てくれた。だって彼は世界のスーパースターだから。彼と写真を撮りたがらない人なんかいないから。そんな可能性はゼロなんだという笑顔で。

その自信に比べ、私はとてもちっぽけだった。一生懸命インタビューの準備をして、緊張と「大丈夫」という自己暗示の波を何度も乗り越えて本番をむかえ、きちんと仕事はしたけれど、リラックスからは程遠かった。せっかく最後のジェダイの話をしてくれたのに、May the force be with youと言えなかったのは一生悔やむ予定。あの、Jan.4th(フォース)に試合があるからね!ダジャレとか言いたかったの!

まあそんなわけで帰ってまず寝込む。厳密には、音声が録れているか確認しどこを原稿にするかメモってから、ぶっ倒れる。あの時ああ言えばよかった、これも聞けばよかった私ったらバカバカと自分を責める。私だってクリス・ジェリコみたいにかっこいい人になりたいもん。当然足はバタバタする(様式美)。

でもしばらくバタバタしたら復活する。なあにいつか私もすごいライターになれるはずだ。2年後ぐらいには今よりいい感じだろう。今の私はクリス・ジェリコに与えられるものはないけれど、いつかジェリコが「話を聞いてくれてありがとう」って言うぐらい、サービス精神旺盛でみんなに親切で、とっても素敵な完璧ライターになれるはずだ。

私は傷つきやすいけど不屈の精神と無限に夢見る力があるので大丈夫です。

2017はこんなことがたくさんあった。ディック東郷選手に話を聞いたあともぶっ倒れたし、塚本晋也監督の話に打ちのめされたし、佐々木芽生監督みたいになりたいし、そういうのいっぱいある。でも全部ちょーがんばったと胸を張って言える。いちいち全力投球できるフリーライターって幸せな仕事だし。

2018年もこんなことばっかりだろうけど毎日がんばっていければいーな。ちなみに初夢は「綿棒に至るまで真紅の部屋にいて”きれいだな””こいつはヤバイ”を同時に感じる」というものだったので気を引き締めて参ります。そんなわけで今年もよろしくおねがいします。


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