マッドマックス 怒りのデス・ロード
2015.7.22


なんだか懐かしい!?
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

 母に苦々しい顔で眺められ続けた多感な年頃、私の中身はこんな砂漠でした。
 「女性にも人気なのが分からない」という意見も聞かれるマッドマックス最新作ですが、思春期の心象風景を重ねる人も多いのでは?

純粋な暴力への欲求と強さへの憧れ。
欲しいものは奪う。
逃げそうな奴は閉じ込める。
希望がついえたら泣く。

 身を隠す場所もなく実利的な感情が渦巻く砂漠は、ストレートしか投げない投手だらけの競演。むき出しで単純明快。

 完全なフィクションだからこそ心地よく見ていられるよ。思春期はもう乗り越えたし。
 今はもう心の砂漠には草とか木とか生えてます。むしろ森。神よ私は生き延びた。

 ただ、森がいいとは一概に言えない。
 道もなく枯れ葉でいっぱい。日が差さないところには人喰い柳がいるかも。どこかの枝では誰かが首をつっているかもしれん。入り組んだ人間関係、老後の心配、ついた嘘がツタのように木に絡まったかけひきの森…

 あー

 やだやだ、やっぱ森など滅びればいい。そして砂漠になればいい。
 複雑な大人の事情が一掃された滅びの砂漠で、老婆になった私はかっこいいオフロードバイクで砂丘を駆り迷える若者を助けます。
 素敵な老後じゃないですか。ハハハ。


★TOPに戻る★




>