父のオススメ映画
私の半分は血と暴力でできているので、家族で観られる映画はめったに観なくなったが、私が育った家では、土曜は「ビデオデ―」だった。近所のレンタルビデオ店に家族で出かけ、意見を出し合い、観たいビデオを1本借りるのだ。
それは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ゴーストバスターズ』、『ネバーエンディング・ストーリー』、『ポリスアカデミー』シリーズだったり、スタローンやシュワルツェネッガー、チャック・ノリス主演の名前も覚えていないアクション映画だったりした。
一番の選択権を持つのはスポンサーである父だった。
年末年始で帰省し、その父のオススメDVDを半ば強制的に、軟禁状態で観た。
前情報やオタク知識も必要なく、何かへのオマージュを探す必要もなく、監督名や撮影技師の名前を覚える必要もない。行き過ぎたエロも暴力もない。
そういうものを抜きに面白い話を作るのは、とっても難しいし、それだけですごいなあと思っちゃったので、メモ。
人生のベスト10に私は入れないけど、父と観たという記憶とともに残るだろうな。そういう映画もたまにはいいね。
ぜひ家族でどうぞ。
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恨みと弱さを抱えて生きる人間を、まっすぐに見つめたイイ話! ちょう泣いた。
でも、家族が元気だからこそ楽しんで観られる話。祖父の介護中につき、死の予感の中にいる父は「今は観るのがつらい」とのこと。「観たいときに観たいものを観るって大事だねえ」と言っていた。元気な家族と一緒に観たいね。
ひときわ輝いてたのが、堤真一演じる鈴木モーターズ社長の激ギレ。
こういう立派にキレられるオトナの怒りのパワーで、戦後の日本は成長したのかもと思うと、なんだかお礼を言いたいようなキモチになった。
3部作なんですね? 父のオススメは3作目の『ALWAYS 三丁目の夕日 '64』。理由は「みんなが幸せになるから」だって。
私はそんな父に育てられたので、どうぞ安心してください。
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あははと笑いながら観た。
父と、その孫である娘は何度も観ているので、このシーンが好きだとか私はここが好きだとか、横でわあわあ言われながら観て、それがまったくジャマにならないイイ映画だった。ところで佐々木蔵之介はアイラブ栃木Tシャツ似合いすぎ。
コレで史実というのがすごいね。誰も本当のところは知らない。そこに個性や感情を肉付けしていく、その味付けがいいですなあ!
野村萬斎、佐藤浩市、ぐっさん、成宮くんなど、それぞれ役者さんが持ち味と底力を存分に発揮していて、そこもいいですなあ!
いちばんオモロかったのが、石田三成の「意識の高い武士」ぶり。恋に恋する多感な女子学生と肩を並べそうなほど、戦への憧れに目を輝かせており、鬱陶しく滑稽。でも最終的に器の大きさを見せててかっこいい。
市村正親さんは文句なくひとり劇団四季でした。
今週は以上でーす。
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