2011年12月12日号

親知らず跡地もうカンペキ。



インモータルズ -神々の闘い-

 冒頭で見せる「闇の神」たちの閉じ込められ方、コイツはただごとではナイと一気に引きこまれ、そのあとは目を凝らし続けるしかない。タイトルのB級感に騙されちゃいけねえ、コイツは超弩級の作品だぜ!

 ストーリーは単純だ。封印された悪が復活するのを阻止する。それだけの話だ。しかし、語り部としての脚色手腕がすさまじい。

 まず殺し方が多彩でシブイ。鈍器、鋭利な刃物からチェーンまで使用し、華麗に殺しまくる。やっぱ神はチガウわ。
 ポセイドンもかっこいいけどやっぱ戦いの神アレス。謎な形状の鈍器で光速でぶち割ってったぜ? しかしそんなコイツもゼウスに一撃で殺される。ゼウスどんだけ全能〜(あとアテナひいきしすぎ)!

 そして映像美。全編通して色味を落とした中、ドレスの赤やマントの青がはっとする美しさ。コスチュームデザインは石岡瑛子だ。
『ザ・セル』、『落下の王国』に続き、ターセム・シンとのタッグは無敵。
 この人、セットと一体化するマントなど、ハデで大きな造形も美しいが、中身が見えないモノの見せ方がカッコイイ。つまり、覆面だ。

 人の第一印象はたいてい顔で決まるが、それを隠すことで印象をぼかし、個性の特定を急がない。それでいて、繭の中の虫の正体を知りたくなるように、切り開いてみたくなるほど興味をそそられる。
 この映画でも、巨大モヒカン風、カニヅメ風など、神も人間も個性的な被り物のオンパレード。
 特に敵軍のかぶる覆面は、造形による不穏さはもちろんのこと、目が合わない、表情が読めないことで、正体不明の恐ろしさが際立つ。とくに有刺鉄線でできた兜をかぶったヤツは人間かどうかも怪しい…刺しても殴ってもなかなか死なない!
 あと、中にいるのが何者か分からない敵軍の覆面集団。禍々しい仮面で個性が没するという逆説で、マシンのように殺しまくるに違いないという恐怖を抱かせる。『落下の王国』でも、黒装束の衛兵が大量発生するシーンはものすごい絶望感をたたえていた。「自分ではないものの中にいる」集団は恐ろしい。

 石岡デザインにハマって著書も読んでいるのだが、建設的で謙虚な天才!
 具体的なプロセスがずいぶん書いてあり、モノ作りとは、作業、細部の決定、そして日々の訓練・鍛錬だと思い知らされる。

 他の作品もコスチュームだけでもすごいから未見の方はぜひ☆↓




『私デザイン』
 石岡瑛子



落下の王国



ザ・セル



ドラキュラ



禁止の誘惑

まったく世の中は禁止だらけだよね。



じゃあまたらいシュー☆


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